ガウディが1912年に竣工させたカサ・ミラという建築がある。バルセロナの目抜き通りであるパッセージ・ダ・グラシア(Passeig de gracia)の一角にあり、モンジュイックの石灰岩によって被覆された巨大の石の塊から、現地ではラ・ペドレラ(石切り場の意味)として親しまれている。それぞれの部屋が鍾乳洞をうがったような印象を与える外観から、その内部に興味がわくだろう。それを堪能したければ、二階に開かれているカフェに行くことをお勧めする。このカフェの最大の見所は、うねる天井を間近にみることができるのだ。復元だが、その精巧な波打つ漆喰の天井は、光が戯れるキャンパスであり、刻々と変化する光の移り変わりを楽しみながらコーヒーを飲むことができる。