アクセシブルなデスティネーション、カタルーニャ

  「アクセシブル」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。車いすを利用する方、高齢者、視覚や聴覚に障がいのある方。けれど実は、アクセシブルツーリズムとは、特定の誰かのためだけのものではありません。小さなお子様連れの家族、妊娠中の方、一時的にけがをしている方、言葉や文化の違いに不安を感じる旅行者——。人の数だけ旅の形があるからこそ、誰もが安心して楽しめる環境づくりが必要だと私たちは考えます。

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 カタルーニャでは、障がいの有無にかかわらず、「誰一人取り残さない、みんなのための観光」を長年にわたり推進してきました。カタルーニャ州政府観光局は2008年からアクセシブルツーリズムを観光戦略の柱の一つとして位置づけ、現在15年以上にわたり継続的な取り組みを行っています。
 その成果は国際的にも高く評価されています。近年の調査では、スペインはアクセシビリティを必要とする旅行者に人気の旅行先の一つとされ、なかでもカタルーニャは、スペイン国内で最も多くのアクセシビリティに配慮が必要な旅行者を受け入れている地域となっています。

すべての人にひらかれた旅へ

 カタルーニャの玄関口であるバルセロナは、アクセシビリティの分野で世界的な評価を受ける都市です。

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移動しやすい都市、バルセロナ

 地下鉄、バス、近郊列車(FGCやRENFE)の多くがバリアフリー対応となっており、エレベーターやスロープ、音声案内、優先スペースが整備されています。モビリティに不安のある方へのサポート体制も充実しており、車いす対応タクシーの事前予約も可能です。

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 観光施設においても、たとえばガウディ建築の代表作カサ・ミラ(ラ・ペドレラ)では、各フロアに点字とインク併記の触覚マップが設置されています。

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 カタルーニャ美術館(MNAC)では、エレベーターのボタンに点字が施され、視覚に障がいのある方の移動をサポートしています。
 バルセロナの海洋博物館では、点字ガイドや触覚モデルを通じて、歴史を「触れて理解する」体験が可能です。

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 また、聴覚に障がいのある方にも観光を楽しんでもらえるよう、字幕付きビデオガイドや、手話通訳付きのガイドツアーを実施する施設も増えています。

自然やアクティビティも

 アクセシブルツーリズムは、文化観光だけにとどまりません。海、山、雪、自然体験も、誰もが楽しめるよう工夫されています。

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 バルセロナ市内のバルセロネータ海岸では、特別仕様のビーチ用車いすを無料で貸し出しており、介助サポートとともに海水浴を楽しむことができます。バルセロナだけでなく、コスタ・ブラバでも19のビーチがアクセシブル対応しています。

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 ピレネー山脈のスキーリゾート、Baqueira Beret(バケイラ・ベレット)やLa Molina(ラ・モリーナ)では、さまざまな障がいに対応したウィンタースポーツ体験が提供されています。

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 さらに、Pallars Sobirà(パリャーズ・スビラ)ではアクセシブルな乗馬体験、Camprodon(カンプロドン)では手で漕ぐタイプの自転車の貸し出しなど、地域ならではの体験も可能です。

旅を支える、やさしいホスピタリティ

 宿泊施設においても、カタルーニャの多くのホテルが車いす対応の客室を備えています。

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 歴史ある旧市街、海辺のレストラン、ワイナリーや自然公園に至るまで、「どうすれば誰もが安心して訪れられるか」を考えた工夫が積み重ねられています。

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 それは単なる設備対応にとどまらず、この土地に根付くホスピタリティの姿勢そのものと言えるでしょう。分け隔てなく、どなたでも安心して、美しい景色や文化、アート、そして美食を満喫できる——それが、カタルーニャが目指すアクセシブルなデスティネーションです。「行けるかどうか」ではなく、「どう楽しむか」を考える旅へ。カタルーニャは、すべての人を歓迎しています。

※アクセシブルな観光地情報はこちら(英語)

https://turismeperatothom.catalunya.com/en/