[バリアフリー対談 #5] 車いすでも楽しめる!カタルーニャの魅力あふれるワイナリー体験をご紹介

世界的に有名なカタルーニャのワイン

金井 節子(以下、節子):
スペインはオリーブオイル、ワイン、ハム、チーズなどなど、色々な食の魅力があるけど、ワインはどんな印象かな?こちらでは、ホームパーティーの手土産にワインを持って行ったり、地元の人の生活にとっても身近な飲み物だよ。

 

織田 友理子(以下、友理子):
ワイン、とっても好きなんだけど、アルコールに弱いし、奥深く難しそうなイメージで、全然勉強したことなかったんだよね。ワイナリーの見学は、一度はしてみたいなと思ったことはあったけれど、車いすだとそもそも「無理なんじゃないかな」と思って調べたことすらなかったよ。だから、今回行くことが決まってからは、どうやって行けばいいのかな?建物はバリアフリーかな?と色々心配しつつも、とても楽しみにしていたよ。

節子:
バルセロナからちょっと足を運ぶと、実はワイナリーが沢山あるんだよね。今回、スペイン・カタルーニャ地方にあるFamilia Torres社の「JEAN LEON」というワイナリーを訪れたよね。このワイナリーのあるペネデス地域では、世界的に名の知れた上質なワインが生産されているんだよ。

友理子:
そうなんだね。そんなワインの本場で、カタルーニャの魅力が詰まった素敵なワイナリー体験ができたので、読者の皆さんに紹介しましょう!

バリアフリー完備のワイナリー「JEAN LEON」

節子:
バルセロナからワイナリーまでは福祉タクシーで約45分だったね。意外と近かった。(タクシーについては後日詳しく執筆しますので、お楽しみに!)

 

友理子:
ワイナリーは、駐車場から入口のスロープを通って、ホールまでバリアフリーだったし、車いす用のトイレも完備していて、安心して過ごせたね。郊外のワイナリーと聞いていて古い建物なのかなと思っていたけど、イメージしていたよりもずっと新しくて綺麗な建物でびっくりしたよ。

 

節子:
中に入ると、スタッフの方もあたたかく出迎えてくれたよね。 今回スタッフの人がワイナリーを案内しながら色々説明してくれて、とっても良い体験だったな。

友理子:
ホールの隣にはビデオルームがあって、ワイナリーの歴史を映像で詳しく学べたのが良かった。日本語の字幕もあったので、しっかり理解が深まってありがたかったね。ワイン造りに関わる人々の思いや情熱だったり、ワイナリーを作り上げるまでに得た周りの人の協力、そしてそれを後世に長く残る偉業として築くことの難しさを改めて考えさせられたな。

サービス

カタルーニャの伝統料理とワインで食文化を感じる

節子:
今回、カタルーニャ地方の軽食コースをお願いしたけど、地元で昔からよく食べられている伝統的な料理を味わいながら、ワインを試飲する体験は最高だったね!

 

友理子:
旅行先のレストランでは、自分では何を選んでいいかわからなくて、よく「おすすめは何ですか?」と聞いて頼むことが多いんだけど、今回はワイナリーが厳選する食事だけあって、どれもこれもすごく美味しかったね。一つ一つのお料理に舌鼓を打ちながらワインとともに楽しめたよ。カタルーニャの食文化を感じられるとても良い体験だった。

ワインのこだわりを知る工場見学

友理子:
試食の後は、ワインの製造工場を見学。今回はあいにくの雨だったけど、電動車いすでも全然無理なく移動できるように舗装されていたね。来る前までの心配が嘘のようだったよ。工場までの道で広大なぶどう畑を見ることもできて、ワインがこの雄大な自然の中で育っていることを肌で感じられたね。

節子:
工場の中では、赤ワインと白ワインの作り方の違いとか、ワイン作りの工程を詳しく教えてもらえたね。ワインの貯蔵庫では、貯蔵庫の独特の温度や臭いとか、その場でしか感じられないワインへのこだわりなどが伝わってきた。全てが丁寧に扱われ、歴史を感じる中にも現代に受け継がれているとても清潔な貯蔵庫だったね。

2種類のワインを飲み比べ!五感で楽しむ試飲体験

友理子:
工場見学の後、ワインの本格的な試飲をしたね。今回用意してもらったワインは2種類。1つはフルーティーなワイン、もう1つは森や緑を感じる香りのワインだったね。ワインの種類によってこんなにも深みや香り、色などが変わってくるのかと、すごく興味深かったよ。あと、ワインは飲み切れないほどたくさん出てきたね。

 

節子:
他にも、「古いワインってよく聞くけど、新しいものとどう違うんですか?」って質問したら、奥から古いワインを持ってきて飲ませてくれたよね。ワインのことは何でも答えてくれて、ワインについてとっても詳しくなれた気分。

節子:
単にワインを飲むだけじゃなくて、ぶどう畑の散策、ワイナリーの訪問、地元の人たちとの交流を通して、その土地の歴史や文化を肌で感じながら、スペイン料理まで体験できる、まさにワインを通じて五感で楽しむ素敵な時間だったよね。

友理子:
そうだね。ワイナリーの見学は2時間くらいだから、バルセロナ市内に滞在していても、半日で体験できるのもおすすめポイントだね。

節子:
他にも瓶のラベル張りやワインの瓶詰等の体験できるアクティビティや、訪問者の希望に応えられるような対応もフレキシブルにしてくれるそうで、いろんな人が満喫できる体験ができると思う。

友理子:
そうだね。私もこれまで、YouTubeの車椅子ウォーカーで、みかん狩りや、いちご狩りに行ったけど、体験ができる旅行って大人も子供も本当に楽しめるよね!特に子供が小さい時なんかは、子供に色んな体験させてあげようと色々親も頑張るけれど、子供が大きくなった先も、生涯いろんなことに興味を持ってワクワクしながら勉強することってすごく大事だなと思って。車いすでもそれができるって知ってすごく嬉しかった。 大げさなように聞こえるかもしれないけれど、それこそ世界が広がったように感じたよ。 バリアフリー対応して頂いてることに感謝でした。

読者の皆さんも、ぜひカタルーニャのワイナリー体験をして、素敵な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

▶JEAN LEONのバリアフリー情報はこちらから

織田 友理子

織田 友理子

1980年千葉県生まれ。進行性の筋疾患による遠位型ミオパチーによる中途障害者。電動車いす利用者。一般社団法人WheeLog代表理事、NPO法人ウィーログ代表理事およびNPO法人PADM(遠位型ミオパチー患者会)代表。2014年にYouTubeチャンネル「車椅子ウォーカー」開設。2017年にバリアフリーマップ「WheeLog!」アプリをリリース。“車いすでもあきらめない世界をつくる”をミッションに活動を展開する。Googleインパクトチャレンジ グランプリ、STI for SDGs文部科学大臣賞、国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰、MIT Solve Solver Teams、ドバイ万博 Expo Live Global Innovator、国内外で多くのアワードを受賞している。一児の母。

金井 節子

金井 節子

1983年千葉県生まれ。2004年にイギリス・グラスゴー大学に留学。2007年、創価大学卒業。2010年、第36回日墨交流計画研修生としてメキシコ国立自治大学に留学。学生時代にヨーロッパ各国を旅行をした他、フィリピン、アメリカの短期留学、デンマークと中国でのインターンシップも経験する。2012年、結婚を機に渡西。2014年、日本建築家協会(JIA)の推薦を受け欧州大学マドリッド校(European University of Madrid)大学院を修了し、建築修士号を取得。2016年より5年間、日建設計バルセロナ支店でカンプ・ノウ スタジアムの改築の建築計画・設計に携わる。2023年からWheeLog事務局に加わる。二児の母。

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